もしものときに!借金の保証人になる前に

  住宅ローンなどを借り入れた場合、保証人を指定するよう、ほぼ必ず銀行側から要求されます。
債務者が指定された期日に必ず借金を返済する事を、債権者に約束します。
返済期日を過ぎても債務者が借金を返済しない場合、債務者の代わりに保証人が借金を返済する債務を負います。
この旨を契約する事が保証です。

保証人の債務は保証債務、保証対象でありもともと債務者が有する債務は主たる債務と呼ばれています。
債権者と保証人が契約する事で保証債務が成立し、法律では主たる債務と異なる債務となります。

通常、保証契約は契約書を交付します。
特に、債権者が貸金業者である場合、必ず契約書を交付しなければいけません。
契約の方法は、一般的な住宅ローン契約書など保証債務条項を記載した金銭消費貸借契約書への債権者・債務者双方の署名・押印と、主たる債務の契約書のほかに債権者と保証契約書を交付する方法の2通りがあります。

通常の保証人と連帯保証人の違いは何?

借金の保証人となった場合、原則として、借金の残額(元本)・利息・遅延損害金が保証債務となります。
返済期限となっても債務者が主たる債務を履行しない場合、債権者は保証人に対し、債務者の代わりに債務を返済する保証債務の履行を求める事ができます。

債権者が貸金業者の場合、一口で保証人と言っても、通常の保証人ではなく連帯保証人を差します。
また、債権者が要求する保証人はほぼ確実に連帯保証人であり、保証契約書でもその旨明記しています。

連帯保証は、借金をしている債務者と保証人が連帯して借金を返済する債務を負う事です。
つまり、保証人も債務者と同等の債務を持つ事になります。
連帯保証人は、通常の保証人と比較してより重い責任を負います。

その例の1つとして、連帯保証人は、催告・検索の抗弁権が認められていません。
債務者による債務返済が滞ると、債権者は連帯保証人に対し、主たる債務者の代理として早急に債務を返済するよう要求できます。
主たる債務者が有する資産は関係ありません。
また、連帯保証人は債権者による債務返済要求を拒否する権利がありません。

連帯保証人ではなく、通常の保証人が数人がかりで保証債務を負う場合、特に取り決めがなければそれぞれの保証人が負う保証債務は均等に分けられます。

借金100万円に対して、5人の保証人がいると仮定します。
特別な取り決めがない場合、それぞれの保証人は、5分の1の20万円が債務となります。
債権者は、1人の保証人につき20万円を上回る債務返済を要求する事ができません。

しかし、5人とも連帯保証人であれば、全員がそれぞれ100万円全額を返済する債務を負う事になります。
債権者は、どの連帯保証人に対しても、債務全額の返済を要求できます。

要注意!根保証について

通常、借金の保証は、借り入れごとに契約を行います。
ところが、会社・商店は事業・運転資金として、借り入れと返済を頻繁に繰り返す事は珍しくありません。
この場合、その都度保証の契約をするより、一定期間内におけるすべての借り入れを保証する契約をする方がよいでしょう。
債務者は効率よく借り入れる事ができ、双方の手間もカットできます。
これが根保証であり、金融実務では一般的な方法です。

12~13年ほど前、商工ローンが関係した強引かつ違法な取り立て事件が、深刻な社会問題となりました。
この事件がきっかけとなり、根保証の方法と恐ろしさは注目を浴びました。

根保証の契約は、限度額など一定の借り入れを決定します。
保証人となった場合、保証範囲内であれば、期間中は常に保証に対する債務を負う事になります。

例を挙げると、企業が債務者・企業の経営者が連帯保証人の場合、根保証である事をはっきり認識しているため問題はありません。
ところが、知人の依頼で保証人になった場合、根保証に関する知識がないケースも多々あります。
その結果、想定外の債務を負わなければならない危険性を伴います。
ちなみに、極度額を設定していない根保証は、契約を締結していても法的効力が発生しません。

ごく親しい知人から頼み込まれ、しぶしぶ借金の連帯保証人を引き受ける事もあるでしょう。
しかし、契約書に根保証とか極度額という単語を見つけた場合、十分納得しないまま契約するのは厳禁です。

資金繰りで頭を抱えている経営者の中には、任意のタイミングで借り入れが可能であるため、根保証を契約するにあたって双方が連帯保証人となり当座の資金繰りを工面する人も存在しています。
ただ、融通手形と同等の扱いであるため、経営破綻の回避方法にはなりません。

根保証の誤用は危険が伴います。
利用する際は注意しましょう。
根保証である事を知らないまま契約した場合の対処法

貸金業法に基づき、貸金業者は保証契約内容の説明書を保証人に渡します。
また、契約を締結した場合、契約の内容を記載した書類を渡す義務があります。
これらの書類が交付されない根保証契約は、法的効力が発生しません。

根保証である事を保証人が認知していないため、当初保証していた分のみ返済義務を果たせばよいでしょう。
書面が交付されている場合でも、根保証の契約である事を認識していなければ、事実錯誤による契約の無効を主張できる可能性があります。

根保証契約の打ち切りの可否

通常、根保証契約は、期間が設けられています。
保証人は、期間満了までは極度額の範囲内で、期間満了後は残った(確定した)債務だけ、期間満了以降も保証に対する債務を負う事になります。

しかし、貸金業者が保証人に対して以下の要件を満たしていない場合、根保証の契約自体が法的効力をなくします。
・根保証である旨の説明
・保証の契約内容を記載した書面の交付
・新規貸付に関する業者からの報告

保証人は、当初契約していた金額分のみ、保証の債務を負えばよいでしょう。
さらに、債権者に対して、根保証の契約打ち切りを通知する事が可能であると考えられています。

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